ED治療方法とED治療薬の種類
EDの治療は医師と相談し、適切な指導のもと、ご自身に合った治療方法を決定していくことになります。
問診で問題がなければ、大抵の場合ED治療薬の処方から始め、経過を見ることとなりますが、EDの治療法は治療薬の処方だけでなく様々なものがあります。
それぞれの特徴について確認していきましょう。
EDの治療方法と特徴
【ED治療薬】
ED治療薬による治療は現在最もスタンダードな治療方法です。
非常に効果的な治療方法のため、EDの原因が心因性や器質性のどちらだとしても、ほとんどの場合、まずは治療薬による治療から施します。
ED治療薬の最大の特徴は、「飲むだけ」で効果を得ることができ、非常に扱いやすい点です。
ED治療薬にはバイアグラ、シアリス、レビトラの3種類があります。
これらの治療薬はそれぞれ有効成分が違うため、効果の特徴やもたらされる副作用も異なります。
そのため、バイアグラでは効果が見られなかったが、シアリスだと効果が見られたということも少なくありません。
1錠から処方することが可能なため、EDに対して様々な角度からアプローチすることができます。
それぞれのED治療薬の特徴
治療薬 | バイアグラ | レビトラ | シアリス |
---|---|---|---|
どんな薬? | 世界で初めて認可されたED治療薬であり、ジェネリックは比較的低価格。 | 水に溶けやすいため即効性が高い。比較的性器に硬さが出やすい。 | 水に溶けにくいため、他の治療薬と比べると効果の持続時間が最も長い。 |
効果の持続時間 | 約3~4時間 | 約6~8時間 | 約36時間 |
飲み方 | ・1日1回、24時間以上間をあけて服用。 ・食事の影響を受けやすいため、空腹時の服用を推奨。また服用後も1時間程度食事はしないこと。 |
・1日1回、24時間以上間をあけて服用。 ・「総エネルギーの脂肪の割合が30%以下」であれば食事の影響を受けないが、なるべく空腹時の服用を推奨。 |
・1日1回、24時間以上間をあけて服用。 ・食事の影響を受けにくいものの、なるべく空腹時の服用を推奨。 |
副作用 | ・現われやすい。 ・主に顔の火照りや目の充血、鼻づまり、頭痛、動悸など |
・現われやすい。 ・主に顔の火照りや目の充血、鼻づまり、頭痛、動悸など |
・現れにくい。 ・軽度の顔の火照りや目の充血、鼻づまり、頭痛、動悸など |
これらの治療薬が作用するかどうかには個人差があり、一度の服用では体調や心理状態の関係で思うようにいかない可能性もあります。
こうした問題は治療薬を継続して使用することにより改善していくため、諦めずに治療を続けることが必要となります。
治療薬を継続して使用したとしても、「症状が悪化する」「処方薬に依存してしまう」といったことはありませんので、ご安心ください。
【テストステロン補充療法】
女性に更年期障害があるように、男性にも「加齢男性性腺機能低下症候群(LOH症候群)」というものがあります。
加齢男性性腺機能低下症候群とは、加齢に伴って男性ホルモンが急激に低下し、様々な身体症状や精神症状が引き起こされるという、「男性更年期障害」です。
症状には多汗や全身の倦怠感、骨密度や筋力の低下、頻尿などがありますが、その中にEDも含まれています。
これらの症状の改善のために用いられるのが「テストステロン補充療法」で、注射や塗り薬などで男性ホルモンを補充し、生活習慣を改善することで徐々に自身のストレスを解消していくという療法です。
【低出力衝撃波治療】
低出力衝撃波治療は、泌尿器科で尿路結石を砕き、排出させるために導入された“衝撃波治療”を応用したもので、2013年にはヨーロッパの泌尿器学会において、ED治療の第一の選択肢として承認されています。
具体的には、衝撃波を当てることによって細胞内外に反応を起こし毛細血管を産生させるという効果を応用し、ED治療のポイントである「血流の改善」を行っていくというメカニズムになっています。
低出力衝撃波治療を器質性EDに対して施した場合、血流改善による効果が大いに期待できます。治療後には治療薬の服用を継続する必要が無くなるため、自然に勃起できるようになるEDの「根本治療」とされています。
低出力衝撃波治療は、「持病があるため薬を飲めない」「薬の副作用が心配」「薬に効果が感じられない」といったお悩みを抱えている方におすすめ治療法です。
低出力衝撃波治療では麻酔や剃毛の必要がない他、痛みや腫れなど、治療による副作用がない、70歳以上の方も効果が期待できるといったメリットがありますが、血栓症や悪性腫瘍、血液病の方など、低出力衝撃波治療を控えたほうがよい方も少なからずいらっしゃいます。